第1章 黎明編


●と、いっている間に時が過ぎて、その間に、
 古沢嘉通は会社を辞めるは、
 米村秀雄先生は南方洋上に転勤で消えるは、
 大野万紀家の長男(2歳)は旭屋大脱走(行方不明事件)するは、
 水鏡子先生は花婿修業をはじめるは、
 大学後輩のTがくらーい電子メールを送ってくるは、
 で、平和に過ぎていきました。

●今日は、七月弐拾参日。

●最近FAXを導入しました。とある関係で、ただで導入できたのですが、買っても四万円代くらいのもの(パソコン内蔵型ボード)です。ワープロ原稿が、プリントアウトなしで直接送信可能。

●と、いうこともあり、NOVAQの原稿依頼を正式な書面にし、関係各位(多数)に送付致しました。よろしくお願い致します。

●米村先生のいるマレーシアにも送りました。南米勤務のイスカーチェリ波津博明先生にも送ろうかと思いましたが、住所がわからん。誰かにきいてみなくては。

●なにが『と、いうこと』かというと、原稿送付の手段に、FAXが加わったということです。

●しかし、まだ大半の人にとっては関係ないですねえ。FAXで送れたのは、大森望と堀晃先生だけです。堀先生からは、即日受諾通知がパソコン通信で届きました。現代はこうでなくてはいけません。

●依頼状発送に、壱週間かかってしまったわい。

●原稿依頼を受取られた方々、新松で、フロッピー入稿してね。パソコン以外の方は、むりでしょうが。今回は、よくて電算写植、悪くて家庭内DTP発行致します。(ページ数と、コストによる)。

●締切はまだだいぶ先、九月一日です。発行日は京都フェス。

●ではありますが、わたしは(他人の)締切やぶりが嫌いです。お気をつけください。


    ノヴァ・クォータリィ六〇号ご協力のお願い


     7月半ばが過ぎ、まもなく梅雨が開け、盛夏を迎える季節となります。皆様におかれましても、ますます御清祥のことと、お慶び申し上げます。

     さて、関西海外SF研究会(KSFA)は、今年で十五周年を迎え、一つの節目を迎えることとなりました。もともと当会は組織形態をなしておらず、ゆるやかな親睦団体として機能して参りました。

     しかし、創立から現在まで、多くの翻訳家、編集者、評論家を輩出し、ささやかでも、SF界の一助を成せたと考えております。××様からも、日頃より、当会またはメンバーに、ご好意を賜わり感謝しております。

     ところで、当会では機関誌『ノヴァ・クォータリィ』(五九号まで)を発行して参りましたが、ここ五年間ほど刊行が途絶えておりました。そこで、会の十五周年を記念し、同誌六〇号として復刊することとなりました。

     今日お手紙を差上げましたのも、その六〇号(記念号)特集記事への執筆をご配慮願えないかというものです。

     特集の主旨は、「ベストSFイヤー」なるものです。一口にベストSFといいましても、選ぶ立場によって、中身が違って参ります。同じ作品であっても、読まれた時期(年代)により、印象が異なってくる場合があります。

     しかし、一般にオールタイム・ベストなどを選びますと、選択者の「時間」がなかなか反映されません。読み手としての歴史が、他者に分りにくいせいもあろうかと思われます。お願いしたいのは、客観的な年間ベストを選ぶのではなく、むしろ個人的なベスト、どの年が皆様にとって、ベストの年であったかです。

     たとえば一九五三年、一九七九年というように、ある年を選んでいただき、なぜその年を選ばれたか(理由)、その年の作品で何をベストとして選ぶか(具体的な作品名、あるいは具体的な出版状況、事件など)を、お書き願いたいのです。

     このベストは、日本での(翻訳の)年である必要はありません。アメリカやソ連のある年であっても構いません。逆に、海外SFにこだわらず、日本作家のみでもいいのです。一つの年に限らず、複数年や幅をもった年代を選んでいただいて構いません。

     何卒宜しくお願い申上げます。
    敬具
    一九八九年七月二〇日

    各 位 殿

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