95/02/11

ザッタその後。

  • 佐脇先生は壁に穴のあいたマンションで生活中。
  • 大野万紀先生宅では、本箱とすべての食器、スピーカーまでが壊滅。まだガスは復旧していない。
  • その日以来、
  • ザッタの人々は、エレベータに乗らなくなった。
  • その日以来、
  • ザッタの人々は、本を一メートル以上積み上げなくなった。
  • その日以来、
  • ザッタの人々は、常に上下を見て歩くようになった。
  • 本は凶器と化す。本に埋もれて発見が遅れた圧死体もあったらしいから、冗談ではない。

    他人事ではありませんぞ。

    95/02/25

    知人で作家志望の正信美香(東灘区)から長い手紙を受ける。自宅の損壊と、町内の死者、ポランティア活動などが綴られている。地震後に人生が変わった人々は多いが、正信美香もその一人となったようである。

    95/02/26

    シモンズ『殺戮のチェスゲーム』(早川書房) 上中までは面白く、下まで読むと今一つ冗長、ちょっと書き過ぎか。編集者がカットしたがったわけもわかる。シモンズの才能にいくばくかの危惧を感じる。

    酒見賢一『童貞』(新潮社) 原始中国で女系社会を打ち破った男の話。今回は、やや食い足りない。

    マキャフリイ『ペガサスに乗る』(早川書房) 明るい超能力者の世界。昔小松左京が書いていたようなアイデア(たとえば、超能力者親子の赤ん坊がテレパスで、夫婦間のことがみんなに知れてしまう、とか)。

    ホーガン『マルチプレックス・マン』(早川書房) ホーガンのスパイスリラー風SF。この類は、やっぱりへたくそ。

    95/02/26

    アンダースン『タイム・パトロール 時間線の迷路』(早川書房) たいした進歩はないが、アンダースンからすれば、それがいいのかもしれない。

    西秋生(中央区)から長い手紙を受ける。震災体験の作家手記はいろいろ読んだ。西秋生もその一人となった。震災体験エッセイでは、高村薫(死を予感して、悲鳴ともつかない、かすれた声を上げた)や藤本義一(払暁の中を、野良犬が一列にならび、東を向いて逃げていった)が印象に残る。

    まあしかし、今回の地震で全く役に立たなかったのは、政府とマスコミなのであるが、どちらもまるで反省がないのは困ったものである。特にマスコミに自覚症状がない。(その点は当事者でないと絶対わからない)。

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