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 迷信……信じる人もいれば信じない人もいるという、まさに素敵に出回った得体の知れない浸透性を持つ噂。
 今回は、サージの知ってる迷信のいくつかをご紹介し、さらにはそれについて語るという、興味がない人にはどうでもいい話をしたいと思っています…。

 まず、この話を書くにあたり、いろいろと思い出してみたのだが、どうも迷信には『死』に関するものが多い気がする。
 うちのじじっさばっさ(訳・じーちゃんとばーちゃん)はそりゃあびっくりするほどの迷信信者だったので、幼い頃からよく「こうしちゃいけない」「ああしちゃいけない」といわれたものである。
 その一つに母の怒りを買ったものがあり、それが、『仏壇に柿を備えてはいけない』というものだった。
 なぜいけないのか。つまり『柿』=『掻き入れる』に結びつき、柿をお供えすることで家族が死んでしまうからだめだというのである。これは確か母が旬の食べ物だからと柿を備えたことに原因があった気がする。
 彼女は怒った。そして言った。
「私は誰も掻き入れないから絶対に仏壇に柿を供えるように」と。
 私は柿が食べたい、という理由である。これはサージとしても大賛成で、柿は供えて欲しいものだと思う。みんなが柿を食べているのに自分のぶんだけないなんて寂すぎるではないか。いい迷惑である。
 迷信に踊らされていると、このように家族にまで被害が及ぶことがある。

 また『夜に爪を切ると親の死に目に会えない』というものがあり、けっこう知られているが、これには必殺の呪文がある。その呪文も『何のつめ切る猫のつめ切る・あすは旅立ちやれ急がしや』というもので、この呪文を唱えながら爪を切ると大丈夫だというのだ。この呪文にいったい何の意味があるのか…。知っている人に教えてもらいたいものだ。

 さらに、うちの母の必殺の迷信の一つに『新しい下着を水引で縛り、箪笥の奥に入れておくと、年老いてから下の世話にならなくてすむ』というものがある。彼女は寝たきり老人になることをそれはそれは恐れていて、読む本も『死に方のコツ』というようなわけのわからんものを読んでいる。口癖は「立派な人間だからといって、幸せな死に方が出来るとは限らない」であり、とにかくうまいこと死んで行ききたいと日々苦悩しているのである。
 その母にとって、その迷信はスペシャルだったに違いない。サージは、彼女が実際に実行していることを知っている。
 さらに最近聞いた話によると、彼女は『これを一生に一度のめば脳卒中にならなくてすむ』という怪しい秘伝の飲み物の作り方を知っており、私は二度飲んだといっているが、それが実に恐ろしい飲み物で、こちらとしては実行するべきかやめるべきか悩んでしまうのである。『飲みたければいつでも材料を分ける』といってくれているのだが…。

 こういうものもある。『赤い文字で自分の名前を書くと、早死にする』。
 これはみんな結構知っているのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。
 サージは、小学生ながらにして、早死にしたいと願っている子供だった。だから自分の名前はいつも赤で書いていた。
 今は別にどうでもいいのでそんなことをしてはいないのだが、当時はそりゃあ熱心で、さらにこの迷信を知らずに赤い文字で自分の名を書いているやつを見て、「いいのか? 早死にすんぞ」と思ったものである。みんな気にしてはいないんだろうが。

 ところで、一つ気がついたことがある。迷信はポリシーに実に似通っているというものだ。
 つまり、人には信じる迷信と信じない迷信が存在していて、柿の迷信を信じない母が水引で下着をしばっているように、サージにも信じている迷信がある。
 ここ、貧乏なヤツ要チェック!!
 家から出るときに左足から出ると貧乏を追い出す。しかし、右足から出ると金を追い出す。というものである。
 サージには、こだわりがある。それは、家を出るときは左足から、靴を履くのも左足からという、何の意味もないこだわりなのだが、ミーにとってはすさまじい意味を持つ。また、白線をまたぐのも左から。コードをまたぐのも左から、というように徹底していて、左足じゃなきゃいいことが起きない、と思い込んでいるところがあるのだ。
 さらに、家に入るときも左足からで、これはつまり貧乏を家に持ち帰っているのでなんの役にもたっていない。が、右足から家に入るなんてなんか違う。おかしい。違和感がある。だから、なんかためだっ!! とにかくだめなのだ。
 ちなみに、これは戦国時代からあったものらしく、ひんぷくひんぷくと歩く侍の話があると母が言っていた。その侍は笑えることに、『貧』のほうから家に入りたくないので家の前で足踏みをしていたらしい。ちなみに彼がその後金持ちになったかは定かではない。

 そのほか、水の上からお湯(お湯に水だっけか?)を注いではいけないというものや、四回目の水は『死に水』に通じるというものがあるのだが『じゃあいい迷信ねーじゃねーかよ!』ということになるので、次からは少し違う迷信をご紹介。

『片方だけの手袋を拾うと不幸になる』
『運がいい友人と行動すると、自分も運がよくなってくる』
『家に子犬が迷い込んできたら、その家は幸福になる』
『つばめが巣を作った家は栄える』
『ねずみが住む家は金持ちになる』
『夜中にねずみが突然いなくなると、その家は火事になる』
『やつでの葉を隠し持つとゲームに勝てる』
『春、一番最初に見たちょうちょが白いと、その年は幸せな年になる』
『降ってきたおちばを手でつかむと、その年は健康でいられる』
『いやな客がいるとき、さかさにした箒に手ぬぐいをかぶせるとその客はすぐに帰る』←サージ、幼少時成功!
『財布を捨てるとき、人目がある場所に捨てる。そしてその財布を誰かが拾うと金のめぐりがよくなる』
『汚いところ(たとえばトイレなど)を埋めるときには、鏡と口紅も一緒に埋めるとよい』
など。そのほかにもいろいろあるんですが、あまりにもメジャーなのでここには書かないでおきます。(鳥のふんが頭の上に落ちてきたらろくでもないことが起きるなど)。珍しい迷信を知っていたら、ぜひ教えてください。

Copyright(c):surge 著作:サージ

*ネットエッセイ館は、ネット上で発表されている優れたエッセイを紹介するページです。
*「迷信をご存知ですか…?」は、サージさんがオーナーの「喫茶サージ」から転載させていただきました(現在はHPも作品もバージョンアップされています)。


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