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牛の鈴音
(B5判)

 2008年韓国映画、イ・チュンニョル監督。
 最近の韓国映画やドラマには、あまり良いイメージを持っていない。たぶん、日本での韓流ブームに反感を持っているのだろう。日本のメディアのチャラチャラした持ち上げ方がいたく気に障る。まあ、モテない男のひがみでもある。
 この映画は、韓国では珍しいドキュメンタリー。牛の寿命は15年ほどだというが、40年も生きた牛がいる。その牛と老農夫の物語。農業の機械化が当たり前の現在で、爺さんは牛と一緒に働き、牛が食べる草のために農薬も使わない。
スクリーンに映るのは、韓国の田舎の素朴な風景で、とりたたて事件も起こらない。
 牛の鈴を大事そうに捧げ持つ“本物”の農夫の手を見れば、この映画が本物だということが直感できる。この映画には、ドキュメンタリーにつきもののナレーションもないのだという。本物に、過度な演出は邪魔なだけだ。 (神九頭 集介)