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エイズ治療薬に関する新情報 (作成日1997/2/21:1997/5/9現在、近々変更予定)


雑誌などで情報収集をしていて見つけましたので、エイズ治療薬の現状についておさらいして、新しい情報を盛り込んでいこうと思います。

  1. 日本における「エイズ治療薬」の現状

     タイトルでは、「エイズ治療薬」という言葉を使いますが、ここでお話しするのは、HIVに感染してもエイズが発症することを遅らせる、またはくい止める薬品のことです。そういう意味では、「HIV治療薬」といった表現の方が正確かもしれません。余談ですが、「エイズ」に該当する様々な病気に対する治療薬は、その原因がHIVによらなくて発症する場合がありますから、すでに存在する場合がほとんどです。(例えば、肺炎が発生したときには肺炎用の薬、といった風に)
     で、現在日本では、AZT,ddI(ディーディーアイ),ddCという3種類の薬が、認可され使われています。これらはすべて、「逆転写阻害剤」といって、HIVが増殖するためのプロセスの1つをじゃまして、HIVの増殖をくい止める薬です。しかし、この数はアメリカにおける8薬剤と比べると圧倒的に少ないものとなっています。

    HIV増殖の過程をスライド形式にしましたのでご覧下さい)
  2. そして、今回の新しい治療薬の登場

     現在、厚生大臣の諮問機関である中央薬事審議会が審査をしている薬は、5種類あります。d4T,3TC,インジナビル,リトナビル,サキナビルとよばれるもので、いずれも「プロテアーゼ阻害剤」というものです。(これもHIVの増殖を抑えるという意味では逆転写阻害剤と一緒ですが、その増殖を抑える仕組みが違うようです)近々「承認してもいいでしょう」という答申が出て、これらの薬は承認・発売されることになるとみられます。
     これまでは、短くて3年間の臨床試験と、2年ほどの審査ののち、承認されることが通例だったようです。しかし薬害エイズ問題の和解以後、厚生省がHIV治療薬に限ってこれまでの審査態勢を見直した結果、臨床試験と同時に新薬を申請することが可能になったり、外国における承認実績を考慮することで、短時間で新薬の承認・発売の可能性が出てきたわけです。

  3. HIV治療薬をめぐる事情の変化

     余談になりますが、こうやって外国の承認実績が日本国内の新薬審査に活かされるようになれば、外国の新薬が早く日本に流れ込んでくることがこれから予想され、製薬会社の実力(開発力・競争力)が問われることになりそうです。

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