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1997年5月18日 アメリカ大統領発表
エイズワクチン開発を国家目標に
大枠
1997年5月18日、クリントンアメリカ大統領は、2007年までにHIV感染予防のワクチンを開発することをアメリカの新しい国家目標とすることを、モーガンステート大学(メリーランド州)の卒業式での大統領演説中に宣言しました。
2007年、というのは、「今(1997年)から10年以内」ということで設定されたもののようです。具体的には、
- ワシントン郊外の米国立衛生研究所(NIH)に研究者40〜50人の特別研究センターを作り、1997年10月に始まる新会計年度で約1億5000万ドルをエイズワクチン開発につぎ込む
- 1997年6月の先進国首脳会議(デンバーサミット)でも各国に開発協力を積極的に呼びかける
などとなっています。
(ニュースの出所:毎日新聞Webページ"JamJam"、1997年5月19日)
このニュースをどう見るか
ニュースによれば、このプロジェクトをケネディ大統領が目標にしたアポロ計画(人類を月に送り込む)になぞらえたということです。それと同じくらいの意気込みを持って取り組む、ということを具体的数値や目標を定めて発表した、という部分は大きく評価できるところだと言えるでしょう。
現在、エイズが発症してから、その個々に発生する病気の治療については行うことが可能であるものが多いわけですが、HIVの感染を防ぐ薬はなく、体内に入ったHIVの増殖を抑える薬は、一定の効果を示すものの、エイズの発症を遅らせるという役割を担っているのみです。HIVに感染しない、または感染したとしてもエイズの発病にいたらない薬を開発することは、どのような感染原因であれ、一つの病気としてとらえたときに、強く望まれることであることは確かです。
HIVはその変異(HIVは増殖するときに、微妙に姿を変えるといわれています)の速さから、ワクチンや治療薬の開発が大変困難だといわれており、ワクチンなどの開発については悲観的な見方をする人もいます。(もちろん積極的にに研究・開発が行われているのですが)しかしながら大統領が具体的な目標を宣言することで、研究開発の活性化がおこることが期待できます。またエイズが成人の死因の多くを占めるアメリカの大統領がこうした宣言を行うことによって、周辺国のHIV・エイズに対する取り組みに刺激を与えることも予想されます。
実現の可否はともかく(そのときになってみないとわからない、というのが現実です)、HIV・エイズについて積極的に取り組む姿勢の現れた発表でした。
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