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どないやねん 現代スペシャル

地域振興券(1998/03/25)


 3月に入り、各市町村で「地域振興券」の配布・使用が本格的になってきました。私の住んでいる街でも同様です。店先には「地域振興券取扱店」のポスターが目立ち始めました。そんな今、あらためて地域振興券とは何なのか、どんな問題があるのか、今後どのような展開がありそうなのかを、かなりの独断をもって考えていくことにしましょう。なお、私に政治的偏向は全くなく、純粋に経済政策(+α)としての評価を行おうとしていることをお忘れなく。また、私とその家族が支給対象外であることに関して、文句を言ったり、または喜んだりするものでもありません。
 まず、地域振興券とは何なのかについて振り返っておくと、15歳以下の子供か、一定条件を満たす65歳以上のお年寄り(この「一定条件」が以外と厳しく、トラブルの原因にもなっています)に、「地域振興券」という名の商品券が一律一人当たり2万円分支給され、その有効期間は6か月。使用はその人の住んでいる市町村内に限るというものです。政治の舞台では、「消費にまわすお金を増やし、商業を活発にすることで景気回復を図る」ことがその目的だとされています。


 次に、地域振興券に関する論点を思いつくままに指摘してみましょう。
1.本当にその配布対象でいいのか(政策的側面)
2.本当に地域振興なのか(経済政策面)
3.本当に経済対策なのか(対費用効果)
4.本当に消費が増えるのか(家計)
5.無駄遣い奨励説(心理・倫理面)
6.二番煎じはあるのか(今後)
7.ちなみに、いいところは?
 これらについて、それぞれ考えていきましょう。


1.本当にその配布対象でいいのか

 なぜ16から64才の人たちが除かれているのでしょう。経済的負担が少ないからでしょうか。例えば、高校生や大学生の子を持つ家庭は、教育費に多くのお金がかかります。現在国民年金の支給開始年齢引き上げに該当し、その支給を受けていない人は、経済的に多くの不安を抱えているはずです。その他にも、実際に調べないと確実とは言えませんが子供の年齢と家族の収入に、大きな関連があるとは言えません。(直感的には子供が小さいほど収入を得る人の勤続年数が少なく、収入も少ないと思いがちですが、収入格差は業種間で大きいことも事実です。)
 政治的な偏向を全く排除しての意見であることを強調しておきます。しかし、政府の1つの役割である所得再分配の機能(所得格差を縮める方向に政策を行う。所得税率が、所得が多いほど高くなるのがその典型です。)が地域振興券では果たせていません。「年齢」という切り口では配布対象がすっきりしているのですが、実際に生活にかかわってくる「収入」という切り口では配布対象が均一ではないのです。「子供の人数」という観点で、人数が多ければ生活費がかかり、支給の効果も上がると考えられますが、そもそも子供の人数は個々の家族における家族計画の問題であるともいえます。また、大前提としてお金のかかる時期の子供に補助ができていないことは、既に指摘の通りです。

2.本当に地域振興なのか

 これは、地域振興券が使われる商店の種類を検討することで明らかになります。
 地元の商店で使われれば、「地域振興」という名目にあうことになります。そのために使用可能な地域をその人の住んでいる市町村に基本的に限定しています。しかし全国チェーンのスーパーなどで使われれば、会計上所得は本社のある(一般には)大都会に吸い上げられることになります。このような観点から、地域振興券が地域振興に役立つかも知れないとか、役立たないとか言った議論がありますが、根本的に着眼点が違うのではないかと思います。「屁理屈」を展開するなら、全国チェーンのスーパーでも、雇われているアルバイトの人は、基本的に地元の人です。その人達の雇用が維持されるなら、地域振興になるわけです。
 「地域振興」を本気で考えるなら、大規模店舗と中小商店がどのように共存させていくのかを考えて、そのためにどのような索がとれるのかを検討するべきであって、中小商店に現物のお金を支給しようとする今回の試みは、彼らの生き残りにとって効果があるとは思えません。
 私は「地域振興」になることには懐疑的です。結果は見てのお楽しみですね。

3.本当に経済対策なのか

 簡単に。7000億円のお金を国民に渡すために、どれだけのコストをかけているのか。地域振興券のPRコスト(ポスターなど)、発行コスト(振興券の印刷費用)、配布コスト(郵送料)、そして事務コスト(役所の負担)...それは、結局市町村に負担を強いていることになります。例えば郵送費用を考えると、2万円を郵送するのに書留郵便の費用は最低かかるわけです。
 その7000億円を超える費用を2%程度の利息をつけた国債で調達する。その費用対効果をどのように考えて立案したのか。クリアーな説明が必要です。

4.本当に消費が増えるのか

 最近、家庭の貯蓄が以前よりも増えているそうです。
 2万円商品券でもらって、その分2万円を預貯金にまわせば、家計はあとあと楽になりますよね。

5.無駄遣い奨励説

 ...が聞かれます。2万円あげるから、6ヶ月以内に必ず使いなさい、といわれました。振興券以外の所得が同じ、支出も一定。残るは預貯金か無駄遣いか、という人もいるようです。

6.二番煎じはあるのか

 これは選挙の行方次第といえそうですが、この振興券によって家計支出が増えたように統計上見えたならば、第2弾もあるでしょう。しかし、家計の支出が最低7000億円増えていなかったら、失敗なのです。「家計の消費用に」7000億円投入したのですから。しかし、大切なことは「人間は条件が変われば行動が変わる」ことです。2万円収入が増えたらそのまま消費が2万円増えるわけではないのです。

7.ちなみに、いいところは?

 商店が企画をねって、本気で客を獲得しようと努力したことですね。

商品券がいいのか、減税がいいのか...


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