ローマの休日


妻:「あらー、まぁ、コレよ、コレコレ、コレだわー、真実の口。きゃあー」

夫:「なにをはしゃいでんねん?」

妻:「だってほら、ローマの休日に出てくるんだもん」

夫:「ローマの休日?どっかで聞いたことあるなあ」

妻:「あなた、あんな有名な映画知らないの?」

夫:「あっ思い出した、あのべっぴんさんのナントカいう女優の、、
   オートリー、オートリー.....ケイスケやったかな?」

妻:「鳳啓介はあなたでしょ!」

夫:「へい、ポテチン。アホなことさすな!こんなとこまで来て」

妻:「オードリー=ヘプバーンよ」

夫:「おお、そやそや。ほんで、新聞記者とちちくりあいよんねん」

妻:「そんなことしないわよ!もう、ほんっっとに、あなたとは映画の話はダメね」

夫:「芸能人の話もダメヨ」

妻:「アーまるで映画の中にいるみたい、なんだかアン王女になった気分だワ。
   もーう、アタシ感激しちゃうわ。キャッ、キャッ、」

夫:「そない跳び上がるほどのもんかえ、こんなもん大阪にかてあるがな。
   京橋の環状線のガードのねきにあるのん、おまえ見たコトないか?」

妻:「そんな、大阪のコトなんてよく知らないわよ」

夫:「知らんことないやろ。いっぺん桜ノ宮まで歩いたやないか。
   あれ、これと同じカッコしとったで」

妻:「そんなのはニセモノ!
   こっちが映画に出た本物!」

夫:「何が”本物”や、偽物のビトン提げとるくせして」

妻:「ビトンじゃないの、ヴィトン! ルイ・ヴィトン!」

夫:「ルイちゃうやろ。類似やろが」

妻:「うるさいわねー」

夫:「しかしこんなしょーむないもん何しに作ったんやろ」

妻:「ねえー、アナタちょっとここへ手を突っ込んでみて」

夫:「なんでや?」

妻:「もしうそつきならね、手が抜けなくなるのよ」

夫:「アホくさ」

妻:「先ずアタシがやるわネ。ほーら、スッと抜けたワ」

夫:「当たり前やろが。こんなもん石ころで出来とるのに、
   人間噛む石がおったらお目にかかりたいわ」

妻:「ごじゃごじゃ言わないで、アナタの番よ」

夫:「おまえホンマに嬉しがりやなー、こんなとこ手ぇ突っ込んで何がオモロイねん。
   撮らんでええ、撮らんでええ」

妻:「そのままで浮気したことなんか無いって言ってみて」

夫:「何を言うてんねん。浮気もくそも、昨日結婚したとこやないか」

妻:「ぶつぶつ言わないで、早くホラ」

夫:「うわきなんかしてまへん」

妻:「そうだ、誰かにシャッター押してもらおうかしら。
   すいませーん、チャオ、」

夫:「なんやこいつ、イタリア語できよるんか?」

妻:「まあ、ハンサムだワ。イタリアの男性って、魅力的ねぇ」

夫:「おい、何言うとんねん、おまえの方が浮気せえへんか心配やわ」

妻:「エッ、シャッター押すかわりに私とデートしたいですって!?
   いいわよ!」

夫:「こら、相手にすんな。イタリアの男はすぐちょっかい出しよる。油断ならんで」

妻:「ねえ、アナタ、私ちょっとこの人とお茶飲みに行ってくるわね」

夫:「アホか!ちょっと待て!....ありゃっ、なんじゃこら、手ぇ抜けへんがな。
   おいおい、えらいこっちゃ、手ぇ抜けへんねん」

妻:「抜けたところで、ローマの救出、って言うんでしょ。
   面白いわよー!、じゃあね!」

夫:「しゃれんならんのー!!」


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