「夕陽に向かって走ろう!」なんていうと昔の青春ドラマを思い出してしまいますが、今回は夕陽や朝日に向かってシャッターを切る話をしてみようと思います。
ふだん見慣れたわが町の風景でさえ夕陽の中ではとても印象的に思えるものです。ましてやこれが外国であれば感動もより一層のことでしょう。この夕陽をいつまでもとどめておけたら・・・だがそれを美しいままプリントに残すのは難しい。
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| Mykonos island (GREECE) |
風景写真を撮るうえで大切な3つのポイントは、「露出」と「構図」と「シャッターチャンス」ですが、なかでも夕陽を美しく撮る場合にいちばん重要なのが、この「露出」です。色の良し悪しはほとんどこれで決まります。
手前の建造物などをシルエットにし、見事な夕焼け色を出すには、輝く空の部分を適正露出にしなければなりません。厳密には空を測って適正な露出を割り出すわけですが、この露出は太陽の明るい部分と陰の黒い部分が相殺されて得られる値に近いため、ふつうに構えたときの値と大差ありません。そこで確実な方法として、段階露光撮影を用います。
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| Athens (GREECE) |
カメラを向ける方向が少し違うだけで露出の値が大きく変わるような複雑な光環境のもとでは、1枚で完璧な写真を撮るのは非常に難しいことです。そこで適正と思われるところを中心にしてプラス側・マイナス側にそれぞれ1/2あるいは1/3段階ずつ露出を変えながら数カット撮影しておきます。こうすることで、どれか1枚ぐらいは適正な露出の写真を作ることができます。その際のデータをメモしておくと、次回の撮影にも役立ちます。
風景が美しいほど、それに目を奪われておろそかになりがちなのが構図とシャッターチャンスです。人物に表情があるように、風景にも刻一刻と変化する表情があります。雲の位置、光の方向、色の変化など、ファインダーの中に展開されるさまざまな要素の状態を冷静に見極め、ここぞという時にシャッターを切ると、それなりに良いものが出来あがります。
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| London (England) |
朝もやのように、全体的に色が淡くモノトーン(単色)に近い状況では、UV等の色の薄いフィルターでも微妙に色合いに影響を与えることがあります。朝夕は紫外線の量もわずかなので、フィルターは外して撮るほうが自然に近い色が出るでしょう。
- 露出についての補足 -
ネガカラーフィルムでは寛容度(露出オーバー/アンダーに対する許容度。ラチチュードともいいます)が広いため、それほど露出に気をつかわなくても構いませんが、リバーサルフィルム(スライド用フィルム)の場合はわずかな露出の違いでも発色が大きく異なります。特に露出オーバーに対しては色が薄く抜けるため注意が必要です。段階露光撮影ではアンダー側を重点的に撮ったほうが効果的です。
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