9月14日(木)  トルクメニスタン大移動


1ドル = 15000マナト(正規ルート18000マナト)
1円  =   140マナト


<移動>               <買い物>
今日1日 電車の中!    昼食 (ジャガイモとサラミ) 4000マナト
                     アイス              1000マナト
                     1、5Lコーラ         10000マナト
                     ビスケット            3000マナト
                          合計 18000マナト (約1、2ドル)


 
パスポート、ビザチェックがないと思っていたら、そんな事はない。
トルクメニスタンになってチェック員がやって来たのだった。
ウズベキスタンを出る時は簡単だったから、トルクメニスタン入国も楽勝だろう。
だがチェックを受ける時はいつもドキドキする。「プロブレム!」と言われるのが
恐いからだ。そうドキドキしていたら2人の国境員の1人が何かボソボソ話し始めて
何となく雲行きがあやしくなってきた。そして出てきた言葉は「プロブレム!」だった
のだ!「きた〜!」と心の中で動揺するが、態度は毅然として「ノープロブレム!」
と言い返す。ほんの少し英語が話せる兄ちゃんを連れてきて言うには、私の
トルクメニスタンビザには出入国の場所の記載がないのが問題らしい。「は?」という
感じであった。確か出入国地の記載は4日間のトランジットビザに必要で、私の
2週間ツーリストビザには必要ないからである。現に同じようなビザを持って旅行した
人も知っている。しかも、そのようなビザを提供したのはあんたの国のお偉いさん。
[問題なのはそっちの方だ!]と言い返すがあまり通じない。中央アジアを旅行して
感じるのは、国境員だけでなく多くの警察がビザのルールなどを知らないということ
である。そういう奴がパスポート・ビザをチェックすんなよ、と何度となく思ってしまう。
なんせウズベキスタンの税関員は税関のくせにT/C(トラベラーズチェック)の事を
よく分かっていなかったのだから、諦めの境地だ。

さあ問題はここからだ。何とそいつは、よく分からないから電車で通るもう一つの
ウズベキスタン−トルクメニスタンの国境で降りて、「ビッグボス(と言っていた)に
スタンプを押してもらうように」と言うのだ。「んなアホな」とツッコミをいれたが、
トルクメニスタンでは効果なし。「絶対イヤだ」と思うが、そいつは消えてしまった。
もう一人の国境員はスタンプを持っていたのに・・・。「朝4時にまた来るので降りよう
(・・と私は解釈した)」と言ったので、半分観念しベッドに戻る。寝るまでの間に
色々考えてしまい、心配性の私は半泣き気分だった(といっても孤独な外国では
誰もが心配性になると思うんだけど)。絶対問題はないと思いながら、もしダメと
言われたらどうしよう?ウズベキスタンビザには出入国スタンプが押されていて、
戻る事はできない。次のアゼルバイジャンに行けなかったら、実質トルクメニスタン
で封鎖状態になるのだ。時間がある旅なら問題は少ないけど、私は早く先に
急ぎたい。2泊3日の列車を途中で降りると、また時間がかかるかもしれない。
いろいろ考えたが結局はどうにかなるだろうと楽観する俺。でもそうしないと
気持ちが落ち着かない。

朝4時に近づき、「来るかな来るかな・・」と思いながら、その国境のチャルジャウ駅に
着いたのに国境員は来ない。ちょっと寝ぼけていたので、何となくどうでもよくなり、
「まさか俺が自主的に降りるっていうことじゃないだろう」と考え、テゥルクメンバシュで
何とかなるよと勝手に思い込みそのまま降りずに寝てしまったのだ。車掌もチャル
ジャウ駅で「降りなくてもいい、寝てろ」と合図をするのも後ろ盾になった(車掌には
事情を片言で説明していた)。という事で私は入国スタンプなしで、無事(?)入国を
果たすことに成功したのであった。

朝になるとすごく心配になってきた。本当に大丈夫か?景色も楽しめずドキドキし
続けていたけど、車掌も「大丈夫」みたいな顔をするし、警官にビザを見せても何も
言わないし、次第にいけそうな気になってきた。俺のビザには問題はないわけだし、
もうテゥルクメンバシュで勝負する事を腹に決めた。大丈夫・・大丈夫・・・。
もう電車は止められないしね。開き直り、景色を楽しむことにした。電車は都市に
近づくにつれ、人が増えてきていつのまにかいっぱいだ。給湯器はあるけど、
かなりボロっちい。便所も汚い。昼になるとかなり蒸し暑くなってきたぞ。窓から手を
出すと風が熱い!これは噂通りやばい暑さだトルクメニスタン。まあ、砂漠を
突っ走っているのだからしょうがないか。6、7月に比べれば涼しくなったらしいの
だから恐ろしい。砂漠を走っているだけにパキスタンの時と同様、入ってくる
砂ぼこりが多い。髪は固くなるし、置いている物に砂が少しづつたまっていく。
これぞ灼熱シルクロードという感じだけど、今日一日やる事があまりなく、景色も
同じだし長い一日になりそうだ。寝ると汗まみれになるし、やれやれ・・・。

夕方になると夕日がとても綺麗に見えてきた。コンパートメントが取れず、
ボロい車両に乗り込んだけど、窓から顔を出して風を目一杯受けたり、停車時に
車掌たちと線路に座り込んで休んだり、そんなちょっとした事がとても楽しい。
窓の外の雄大な砂漠、そして草原を見ていると、本当にすごい所を旅して
いるんだなと実感できる。すごい景色だ・・・。ビザの事なんてちっぽけに
思えるくらい、人間の力じゃどうにもできそうにない砂漠。人間の無力さを
みせつける砂漠は、なぜか私を魅了してしまうのだ。夕日は砂漠とよく似合う。
窓から思いっきり顔を出し、風を感じながら砂漠の山に消えていく夕日をボーっと
見ていた。外は涼しくなってきたが、電車の中は蒸し暑い。田舎町じゃ買え
なかったコーラを首都アシュガバード駅で購入し、ガブ飲み。プハー、うまい!
だけど夜になると段々寂しさを感じさせる砂漠地帯。夜になると景色がまるで
海のように黒い地平線に化ける。明日目が覚めた時、ぐっとカスピ海に近づいて
いるだろう。すごく楽しみにしていたカスピ海だけど、本当に越えられるのかな?
所掌の「ノープロブレム」の言葉を信じ、とうとうカスピ海の目前に到着だ!


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