18禁の事情

要旨:

 これは、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の設立経緯について
歴史を交えて記した私のページで唯一、まじめなページです。
 最近、何かとやり玉にあがっているソフ倫ではありますが、いわゆるHゲームが
闇でなく流通され、年齢制限はあるものの、買って遊ぶことができる現状は、
この組織なしでは有り得なかったのではないかと私は思います。

 一部タイトルがメジャーな存在になりつつあるとはいえ、未だにエロゲーは
社会的に決して認知されていない、脆弱な存在です。過去に実際にあったように
ちょっとしたきっかけで冬の時代が来ないとも限りません。
 恥ずかしながら、エロゲーマーである私にとって、これは堪え難き事です。
現状はベストではないとしても、買いたいときにエロゲーが買える現状を守る
ためには、ある程度規制も倫理審査もやむを得ないと私は考えます。

 また、倫理審査を否定する立場に立つにしても、このことについて知る事は
たいへん有意義ですし、知らずして否定することは単なる無知です。敵を
知らずして勝つことは有り得ませんしね(笑)。

  1. まえがき

     このページを書いてみようと思ったきっかけは、とあるBBSで、 「高校生と18禁ソフト」という話題が物議をかもしたことに始まります。
     ここで知ったことは今の若い人が倫理機構ができるにいたった経緯、そして 美少女ソフト冬の時代を招いたある事件について何も知らないことでした。 当時、私は何も考えずにその無知を非難してしまったのですが、考えてみれば 事件当時中学生以下だった彼らが、その事をしる由もないのです。なぜなら、 ソフト制作、流通サイドも、美少女ゲーム雑誌も、倫理機構自身も、そして、 その時代を知る古いゲーマー達もこの問題を語り継いでいなかったのですから。
     私はただの素人エロゲーマーで、特に業界の内部に詳しいわけでもなんでも ありません。でも、事件当時、既にエロゲーマーでしたから、まったく知らない わけでもありません。だったら、知る限りの事を伝えられる範囲で伝える事が、 あの冬の時代の再来を防ぐためにできることではないかと考えたわけです。

  2. エロとノンエロの分離

     パソコンが「マイコン」と呼ばれていた昔、コンピューター画面に絵が描けるように
    なると、当然のごとくHな絵を描く者が現れる。それは自然の摂理、人間の性である。
    これにゲーム要素が加わり、いわゆるエロゲーが誕生することになる。
     当時、現存する大手一般ゲーム会社の多くもこの手のゲームを出していたのであるが、
    こんな事知ってました?を参照のこと)
    「177」というソフトが国会で問題になるという事件により、現在一般ゲーム会社と
    なっているところはH系ゲームから撤退する事となる。
    解説:「177」事件(1986)
     「177」はマカダミアソフトのHソフト。女の子を追いかけて捕まえて、 Hをするのだが、Hをして満足させてその満足度によって強姦から和姦へと 変化する。このことが国会でやり玉にあがることに。
    #ちなみに私は、女の子を追いかけて捕まえるアクション部分がクリアできず、
    #一度もHにたどり着くことなく挫折した。(^^;;;;;

  3. 冬の時代は突然に…沙織事件

     「177」事件の後もHゲーはアングラレベルではあるが、多くの作品が作られていき、 1988年あたりからカクテル・ソフトなどが話題作を出すようになる。
     そして、1989年に美少女ゲームの2大巨星となるエルフとアリスソフトが産声をあげ、 「ドラゴンナイト」「ランス」といった話題作が世に出るあたりから美少女ゲームが隆盛を 極めるようになる。
     また、ハードの面でも16ビット機の普及、グラフィックが200ラインから400ラインへ、 そしてデジタル8色からアナログ16色へと進歩していったこともその隆盛をもたらす一因と なった。さらにX68000やFM-TOWNSなどのグラフィック機能の優れた(98と比べて)ハードも 登場し、グラフィックが急激に美しくなっていった。

     しかし、事件は起きてしまった。1987年の「幼女連続誘拐殺人事件」に端を発する 「おたく」の差別用語化と漫画、アニメバッシングの流れは、隆盛にあったとはいえ 当時まだマイナーで世間で注目されていなかった美少女ゲームにも及ぶ事となる。
     1991/11/25に起きた事件(ここでは「沙織」事件と呼ぶ)により、その頃の発売ソフトは 軒並みグラフィックの修正を余儀なくされ(例えば、ドラゴンナイトV)、それ以降のものは かなり自制された作りになる。各メーカーは性表現の仕方でかなり悩んでいたようである。
    解説:「沙織」事件(1991)
     京都府警がフェアリーテールとジャストを家宅捜索、そのまま社長らをわいせつ図面 販売目的所持の疑いで現行犯逮捕された事件。その時にわいせつ図面と判断されたソフトは 私の知る限りでは「天使達の午後V番外編」「天使達の午後W」(以上、ジャスト) 「ドラゴン・シティ」「沙織」(以上、フェアリーテール)の4本。
    (ここではその摘発ソフトから名前を取って表題のように呼んでいるが、その他にも 社名の頭文字を取って「FJ事件」などと呼んでいたところもある。)

     この事件の引き金をなったのが、京都での中学生によるパソコンソフトの万引きで、 その時万引きされたソフトがいわゆるHゲームであり、それが捜査を進めるきっかけと なったらしい。
     これは私の憶測であるが、この事件も2年前に起きた「幼女連続誘拐殺人事件」以降、 エロ漫画などへの規制が強まった一連の流れの延長線上にあり、この手のゲームの実態を 知らせしめるための見せしめ的な摘発であったと思われる。

     以後、美少女ソフトメーカーの会合を経て倫理機構設立、18禁制定と動いていくのだが、 「ドラゴン・シティ」「沙織」は「X指定ブランド」として、18歳未満絶対禁止の触れ込み で売られていた事実は頭においておく必要がある。

    #ちなみに、私はその日たまたま大学が休講で休んでおり、何気なくつけた
    #3時のワイドショーで「ジャスト社長逮捕」の報を聞いて目が点になったのを覚えている。
    #先の摘発ソフトを私はプレーしていないので、その過激度などについては知らないが、
    #「沙織」は(当時としては)かなり過激な内容だったらしい。

  4. 倫理機構の設立と18禁の台頭
     これについては日本コンピュータソフトウェア倫理機構のホームページの 設立経緯を見てもらえばよいと思います。

    
     最後に、この記述は極力事実を客観的に述べるよう配慮したつもりですが、
    自分の主観が交じっている可能性も、事実に反する記述がある可能性も
    否定はできません。反対意見もあって当然です。
    このページが、エロゲーと倫理というものについて考えるきっかけとなれば幸いです。
    

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