ダイソン DC24 良い所

 

  

 

 

ダイソン製品の良い点は、なんといっても、デザイン

DC24には、さらにボールという見た目と操作性の面白さが加わっている。

DC24のギミック感は、ダイソン社製掃除機の中でもずば抜けていると思う。

電気屋でサンプルを見る時には、掃除機の上記写真の赤丸の部分のホースの動きに注目して欲しい。

DC24は、取っての部分のホースを外して、棚の下などの狭い空間にホースを突っ込んで吸い取る事が出来る。

そのホースを外す時、通常のヘッドからの吸い込み経路では吸えないので、赤丸部分の吸い込み経路が、線路の切り替えポイントのように切り替わるのだ。

このメカニカルな動きがガンダムチックですばらしい。

掃除機に限らず日本の家電は、デザインが味気ない。

日本の家電は、「機能」「操作性」「安さ」「価格以上の耐久性」という点は、たいていズバ抜けて良い。

しかし、パソコンにしろ、冷蔵庫やテレビにしろ、どれをとってもデザインは一番低い扱いだ。

これは、製造側の怠慢だ。

「機能」や「安さ」というのは、三種の神器が「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」だった高度成長期時代の事だ。

日本は、高度成長の終わった先進国であり、「機能」や「操作性」が良い事は当たり前であり、今はそれ以上の

「もっと何か」

が求められている。

それらのひとつに、「安全」や「デザイン」が消費者から求められているのだ。

金持ちになった日本人は

「安い事」

よりも

「良い物」

を求めているのだ。

毎日消費する日用品が安い方が売れるからといって、10年使い続ける道具も安い方が喜ばれると考えるのは、売り手側の安易な思考だ。

消費者心理に目を向けた思考ではない。

それが、売り手の傲慢さなのだ。

消費する事に慣れた先進国の消費者は、

「長く使う道具なら、多少高くても良い物が欲しい」

と心の底では考えているのだ。不満を持って長く使う事よりも、満足して長く使いたいのだ。

ダイソンは

「掃除機としての機能の追求」

ではなく、

「サイクロン技術の応用と追求」

という新しい切り口から掃除機を作った事が、日本でウケている要因だ(日本におけるダイソン社製掃除機のシェアは10%を超えているそうだ。日本の掃除機の2倍以上の価格であるにもかかわらずだ)。

現在の日本は、江戸時代と同様に安定期に入り、新しい事に挑戦するチャレンジ精神よりも、過去の成功体験に囚われ続け、ジリ貧の道を転げている。

現在の日本には「ダイソン社」が持っているような、

「きっちり一本スジを通したチャレンジ精神」

といったような風土はほとんどなく、過去の成功体験から来る「機能」や「安さ」の延長線上でいつまでも仕事をしている。

その安定志向に、日本の消費者は「ワクワク感」を感じないので、掃除機相場の2倍以上もする海外製品を日本人の10%以上もの人が購入する事態となっているのだ。

「過去の成功に乗っかってれば、それでいいや」

というワクワク感のない精神には、働いている人間にとっては、もうウンザリしているのだ。

職場の外まで、そんなウンザリ感を押し付けられ、家の中まで持ち込まれるのは、もうコリゴリなのだ。

サイクロン技術といったような「こだわりの技術」に特化し、その特化した技術の延長線上に製品を作り込むという精神は、本来、島国精神を持った日本人が持つべき精神だ。

こだわりの精神を、ダイソンのように外国人から見せられると、日本人の俺としては、悲しくなる。

すでに裕福になった日本人こそ、こういったワクワク感のある技術を徹底的に追求していく精神を示すべきじゃないのかと。

別に民族主義をあおるつもりはないが、日本の組織、製品には「ワクワク感」がないのは間違いない。

DC24は、男が見れば、誰でも目を引くし、「なんだろう?」と思い、「触ってみたい」と思うはずだ。

これが「ワクワク感」の原点だ。

実際、触ってみると、日本製の掃除機にはない面白い動きをする。

それは決して使いやすいわけではない。

しかし、おもしろい。

日本人が作ったのなら、もう少し使いやすいレベルにまで作り込んだだろうが、今の日本の電気会社から、このようなスジの通った製品が出てくる気配はない。

つまらない掃除の世界に、「面白い」という感覚を持ち込む事は非常に難しい。

マイナスをプラスに転化する思考は非常に高度で難しい。

その難しい事をやってのけた発想に、俺はお金を払った。

日本で本気でDC24のような製品を作れば、おそらく半分の値段で作れるはずだ。

しかし、一本スジの通ったチャレンジ精神のない今の日本の大企業に、「新しい切り口」や「新しい発想」を、掃除機という古い世界に持ち込むだけのエネルギーはない。

残念ながら、DC24を見てマネをする事はあっても、「俺たちが新しいものを作ろう」といったような、マイナスの世界をプラスに転化するような湧き出るエネルギーはない。

DC24の最大の欠点は、値段が高い。特に日本向けの価格だけ異様に高い。しかし、

「なんとなく作りました」

という「もう飽き飽きしている精神」がにじみ出てくる日本製品に対する反発と、日本から出てくる事のないエネルギーに、「価格が高すぎる」という部分には目を瞑って買ってみた訳だ。

俺はダイソンの「精神」にお金を出したのだ。

購入後1ケ月使用して、満足感を覆すような、突出した不満はない。

2008.03.30